北朝鮮、韓国提案受け入れ

 朝鮮戦争で生き別れとなった離散家族の再会事業について、北朝鮮の対韓国窓口機関である祖国平和統一委員会は18日、旧盆に当たる秋夕(チュソク)の9月19日に実施するとの韓国側提案を受け入れるとする報道官談話を発表しました。
 談話はまた、2008年7月に中断した北朝鮮の金剛山(クムガンサン)での観光事業を再開するよう韓国に提案しています。南北は14日に、操業が中断していた開城工業団地の再開で基本合意したばかりです。

 金剛山では2008年7月11日に韓国人の女性旅行者が金剛山付近で北朝鮮兵に射殺される事件が発生(北朝鮮当局の発表によると、女性は誤って立ち入り禁止区域に侵入したとされる)、これを受けて韓国政府は暫定的に金剛山へのツアーを停止する措置をとっていました。また、北朝鮮政府は事件の全責任が韓国にあるとして、韓国が謝罪して再発防止策を講じるまで韓国からの旅行者の受け入れを停止すると発表しました。

 開城工業団地も金剛山も、経済が破綻状態の北朝鮮にとって貴重な外貨獲得源です。いくら韓国相手に突っ張って見せても、これ以上閉鎖したままには出来ないのでしょう。

北朝鮮、中国船を解放

 中国外務省の洪磊(ホンレイ)副報道局長は21日の定例記者会見で、5日に中国漁船が黄海で北朝鮮船に拿捕された事件について、同船の乗員16人全員が同日早朝に解放されたことを明らかにしました。

 この事件、拿捕された漁船の船主に「通訳」を名乗る北朝鮮人から電話があり、漁船が北朝鮮の領海に侵入したため船を拿捕したとし、身柄解放の条件として遼寧省内にある会社を通じて60万元(約1000万円)を支払うよう要求してきたというもの。
 洪副局長によると、金銭の支払い等北朝鮮の要求には応じておらず、乗員16人は全員無事で、漁船はすでに僚船と合流して操業を再開しているということです。なお、漁船を拿捕した北朝鮮船の所属組織や、乗員が拘束されていた場所は明らかになっていません。

 黄海は中国と北朝鮮両国が主張する排他的経済水域(EEZ)が重なる海域があるものの、両国間の漁業協定はなくトラブルが多いそうです。それにしても、唯一の後ろ盾である中国の漁船を拿捕して身代金を要求するとは、身の程を知らないというか何も考えていないというか。

北核実験場、司令地下壕完成か

 24日に北朝鮮北東部・豊渓里の核実験場で、核実験場の衛星写真などから実験の際に現地の司令室として使われるとみられる地下壕などが完成したと分析されたそうです。

 分析したのはアメリカのジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究所(SAIS)の北朝鮮問題研究グループ「38ノース」で、分析によると地下壕は実験に使われる坑道の入り口から約150メートルの距離にあり、昨年4月ごろには入り口が完成。昨年11、12月撮影の衛星写真では、周辺に何らかの機材が設置されたのが確認されたということです。
 同グループは、坑道内に核弾頭が搬入され組み立てられるまでの所要日数は1日~1週間、さらに配線と確認作業で1、2日が必要だと分析しています。

 同じ日、アメリカのパネッタ国防長官は記者会見で、北朝鮮の核実験予告について「無用の挑発で、深く懸念している」と非難。また、核実験は「国連安全保障理事会決議と国際法に違反する」と指摘し、「アメリカは、北朝鮮によるいかなる挑発にも対応する準備ができている」と強調しました。
 またカーニー大統領報道官も同日の記者会見で、「さらなる挑発は、北朝鮮を一層孤立させるだけだ」と警告しています。

 北朝鮮が恐れるのは、アメリカの軍事介入だけです。それが出来ないと判っている以上、北朝鮮がこの程度の警告で思いとどまることはないでしょう。